ライフストーリー37〜特別養護老人ホーム
前回のライフストーリー36 はこちら。半年後に卒業。
特別養護老人ホーム、略して「特養」。
二階建てで、各フロアに50名高齢者が入所。入居後は入院などにならない限り、終生をそこで暮らす。
認知症の深い方がたくさんいたし、重度の状態で言葉が発せられない人も多かった。
話が出来る方たちももちろんおり、特攻隊に行った人や明治生まれの人もいて、日本を文字通り作って来た人たちがそこに居た。
「た〜の〜も〜〜」
と、職員を呼ぶ時に言うおじいちゃんがいた。最初聞いた時は、時代劇か!と思った。
いつだったかその方に、
「どんな人生だった?」
と聞いたら、
「戦争戦争の人生じゃった。」
と言われたことがある。
その時は何も言えなかった。今思えば、日本をここまでにしてくれてありがとう、くらい言いたかった。
同僚に、入居者へ戦争の話を聞きたいんだ〜と言う話をしたら、
「私はとてもそんな辛い時代のことは聴けない。」
と言われ、(それも一理あるか…でも、家族じゃない職員にこそ言えることってあるんじゃないか?結局関心がないだけなんじゃないかな。)とひねくれて思っていた。
今書いていて、身体が硬直して動けない人や、目が見えないかわいいばあさんや、いろんな人の顔が思い出されて、なんでだか泣けてくる。
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