ライフストーリー 29 〜目の前の霧が晴れる。
台風24号の後の、さんばし。街灯2本、流されり。
朝のうちは歩くとまだまだ塩が吹き上げて来て、メガネが白くなるくらいだった。バイクも雨戸もシオシオ。
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さて、帰島してから間が開いてモータ、ライフストーリー 。
1年生から4年生まで9名の執行部で、意見を出し合う。
わたしは、だんだんそれが苦痛になった。
自分がどう思っているのか?どう感じているのか??
自分の考えが感覚が、自分でもわかっていないことに気づいた。
って、前回は書いたんだけど。
正確に言うと、その時は、「苦痛になっていた」ことに自分では気づいてなかった。 です!
そうこうするうち、入学して最初の大学祭が秋に開かれる。
大学は、田んぼの中の小高い山の上、何もない田舎にあって。
前も書いたけど、受かる前から(こういう所で暮らしていけるかなあ)って感じたくらいだった。
大学近くでは女子学生が性被害を受けることが多く起きていて、それに対応して女性問題を学んだり運動したりする
女子学生問題連絡協議会っていう自治会の機関があった。
そこが主催して、大学祭ではたしか「脱売買春を目指す男の会」っていう団体の男性が講演に来てくれた。
その人の話を聞いていたら、その場にいられなくなって、会場を出た。
すぐそばにあったトイレに入って。
涙が出て、泣いてた。(夢じゃなかったんだ…)と思って。
もうそれは一気に、目の前の霧が晴れた。
そうしていると、同じ執行部の「た」がトイレに入って来た。涙を流している私を見て、
「どうしたん?」
「なんか傷つけられたん?」
と聞いた。
でも当の自分は、なんで涙が出ているのか??皆目わからず。
(!!わたし…どう感じているのか、判らないんだ!!)ということが自分でもよく分かって。
「なんで涙が出るのか判らないい〜。」
と泣きながら言ってた。
「た」はどうしたのかと私が聞くと、
「(講演が)なーんかつまらんくって出て来た。」
と言う。一緒にトイレを出て、講演には戻らず、他の企画か何かへ行った気がする。
講演会では、講演をしていた男性が、性暴力をふるう男性側の気持ちについて話していたのだけど、
話の中のシチュエーションが、私が保育園の時に受けた性暴力とそっくりだった。
今まで(変な夢だなあ〜)と思っていたことが、ほんとうのことだったんだ。とはっきり判り、
目の前がもう文字通り、ホントにホントにバッ!!と、クリアになった。
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