運慶展見てきました
ただいま出島中。
金沢文庫にて、「特別展 運慶」を観てきました。
居並ぶ十二神将像も素晴らしかった。
(こちらは運慶作ではない。)
個人的に、一番唸ったのは、
運慶作の大威徳明王像。
の中に納められていた蓮の実の細工。
…に込められた昔の人の想い。
あの、小さなハスの実の中をくり抜き、
さらに小さな木の栓がされているのです。
像をエックス線で見ると、
中には更に小さい何かが納められている事が判り、
運慶作ということが確定したそうです。
その大発見をした調査が出来たのも、
本来あったはずの腕は無く、
乗っていたはずの牛も無く、
像が、かなり痛んでいたために可能だったそうです。
そこまで傷んでいなければ、あの、運慶作という事で、
調査ははばかられた、と。。。
何が原因・発端で
謎が解けるか。
わからないものだなあと思いました。
通常で考えれば、傷んでいることは決して喜ばしくありません。
しかし、運慶の作が多く発見されていない
今の世において、この像が運慶作と判明したのは
大きな発見だったそう。
あの像を見ると、痛々しくあるかもしれない。
しかし傷んでいたおかげで
後世にとっては大発見。
何が災いして、何が幸いするか。
一方から見たら災いでも
他方から見たら幸いになる。
モノの見方にも
通じるものがあると感じた時でした。