すさまじい変化のスピード…「発展途上国一歩手前」の国
写真は、講座を受講した日、昼船が欠航となった海をベランダから撮影。
松に隠れた先には桟橋があります。
さてさて。
先週20日金曜日、JIAM提供の市町村議会議員 特別セミナー2日目。
オンライン参加が終わりました。
一講義目は、「これからの日本に求められる社会保障のあり方について」
講師は、慶應大学教授 井出英策さん。
これが…‥…実に実に熱い講義でした。
お話に大きくうなづきつつも、疑問もあって。
もっと井出さんの主張内容を知りたく検索したら、なんと!!
11月28日土曜日
公正な税制を求める市民連絡会・設立五周年記念On-line集会
「コロナ禍を乗り越え、いのちを守る財政を!」
これに、井出さんが基調講演&パネリストとしても参加。
という、めちゃタイムリーな機会を発見!!
しかも、まともな弁護士、宇都宮健児さん(記事p3〜参照)も参加!!
(失礼な書き方だけど、ほんとにこういう表現が出ざるを得ない状況なんですもん。宇都宮さんは、金貸し業者の高金利が自殺者を産み社会問題になっていた頃からサラ金と闘った最初の人、と言っていいと思う。今は多くの弁護士事務所が「あなたの借金過払金を減らします〜♬」と宣伝しているが、この方が何十年も闘わなければ、これが仕事となっていないのでは。)
会員じゃなくても、オンライン参加できるそうです。
てことで、まずは、遅まきながらのオンライン集会の宣伝でした。
あさってです〜!
で。
議員セミナーのはなし。(カッコ内は私個人の注釈や思うこと。)
まず最初に井出さんが仰ったこと。
「今は恐ろしいスピードで(社会や政治が)変化をしている。将来こうなると言われていたことが、あっという間に現実になっているということを踏まえて聞いてほしい。」
1997年。今から23年前が所得のピーク。
今は、家庭で二人働いても所得が落ちている。
世帯収入は300万円未満が全体の31パーセント。
400万円未満が、全体の45パーセント。
1997年から、収入は減り始めている。
世帯収入400万円未満だと、税金を引くと手取り340〜350万。
全体の5割近くの社会になっている。
二人以上で暮らしている世帯の3割、ひとり暮らしの5割が、貯蓄なし。
老後の備え、大病した時などは貯金でまかなうが…こんなに貯金がない人がたくさんの社会になっている。
一人当たりの所得は平成元年世界で4位。
今は26位。
発展途上国の一歩手前。
「ユニコーン企業」(将来有望な企業、未上場の企業)
アメリカ214社、中国は107社。日本は7社。
インド14社、韓国12社。
韓国にGDPでは日本はすでに負けていて経済は敵わない。
…そんなとこまで来ている。
「世界のトップ企業」
平成元年は32社が日本企業。今はトヨタだけで、自動車はテスラに追い越されてる。数年後には、世界のトップ50からトヨタは消える。
「国を愛する」
社会保障を手厚くしよう、と言うのは左側(左翼:日本共産党、社民党など)かリベラルの人。
その人たちは「愛国心」とは言わない。
愛国心と言うのは大体右側(右翼:自民党、維新の会など)の人たち。
この人たちは、社会保障ガーとか税金がーと言わない。
でも、
国を愛する気持ちと安心して生きていける社会は矛盾しない。
でも、
その二つを追求する政党もない。
人々の求めるものは、既存政党の中に収まらないという現実ある。
格差を憎む気持ちと、靖国に行くことは矛盾しないが、二つを切り分けて「格差がー」と言う人と「愛国心ガー」という人たちに分かれる現実はおかしい。
アベノミクス、勇敢な経済政策した。(皮肉でなく、どのような点を指しておられるのか知りたい。著作や他の発信を読めばわかるでしょうか。)
安倍さん以上の経済政策だれかできるのか?いないと思う。しかし、1%(の成長率?だった。かな。)
日本が力を失っているところから社会保障の話をしなくてはいけない。
日本は現役世代への社会保障の額は世界でビリから3番目。
なので…(病気など何かあったら)
自己責任で生きていけということ。
働いて貯金をして、色々な備えは、自分のチカラでなんとかしろという社会。
それができなくなると……???
所得が落ちてきた98年から、自殺者数が跳ね上がった。
自己責任で生きていけなくなった人が
「人さまの世話になるくらいなら死んだほうがいい。」
と(文字通り現実に)死んだ。
現在もコロナで自殺者が増えている。(2日前にも、子どもの自殺が増えたと報道がありましたね。)
これが日本社会の土台、自己責任の社会。
減税、財政支出します。だから安心してください。なのか。
または、
そうではない新しい社会保障を作っていくか。
大勢の人は朝から晩まで必死に働いている。なけなしの金をはたいて、子どもの世話や学費を払ったり一生懸命頑張っている。
その人たちに、格差是正、反貧困、困っている人たちを助けてあげよう、弱者をほっとかない社会。→心に響くのか??
大多数の人に響くと思っているなら大間違い。
内閣府調査
自分は貧しいと認める人は4%。中流は93%
その中流の中身が変わっている。
結婚、子ども、持ち家、着る物、食べものを諦めている。
パソコンと携帯の、通信費だけ上がっている。
いろんなものをあきらめているけど、人並みの生活できているから中流。
と言っている。
そういう人達に、格差是正反貧困という言葉が届くのか。
日本は
格差を縮めるのは政府の責任だと聞いた時に、賛成する人は非常に少ない。
失業者の暮らしを維持するのは政府の責任←これに賛成する人も少ない。
格差を小さくするには貧しいひとたちにお金をあげればいい。
しかし、お金持ちに税金をかけて格差を小さくする力は世界でビリ。
困っている人なんて、どうでもいい。という日本人の姿がある。
皆さんは、怒りを感じないのか。(多くの議員は感じてないと私は推測します。なぜなら、怒りを持つ=現状を変えようとする人がたくさん議員に当選していたら、こんな状況になってないじゃん?)
困っている人を助けようという常識が通用しない社会になっている。
なぜか。
自分の生活を守ることに必死だから。
完全に限界に来ている。
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以下、私が思うこと。
東京へ行くたび…
本当に、日本は貧乏になっているんだと、驚き実感します。
実家から二つ隣の駅のデパート。
昔は数社ありましたが、現在残るは一社。
私が子どもの頃は、ワンフロアの半分にブラウスやセーターだけが並んでいて。
贈答品フロアのある程度の面積は、例えばレース小物などは何社かが占めていました。
生活必需品でなく、「生活の質を豊かにして潤す商品」がレース小物以外でも、いろんな種類がたくさん見られました。
それがデパートだったんですよね。
無くても充分に生活していけるもの。
つまり、生活にかなり余分な装飾というか…そんなものが溢れていました。
先ごろレース小物を買いに行ったところ、商品は小さい棚一つのみで本当に驚きました。
もちろん、独立したブラウス・セーター売り場なんて、何年も前からなくなっています。
昔の、生活には必ずしも必要ではない装飾品があふれるデパートは、銀座や東京駅などは別として、都下では何年も前からなくなっています。
余剰がない世界、というのは、こういうことなんだなあ
と、最近、とみに感じています。
それでも、あきらめずに参りましょう。
続く。