距離感
距離感
御蔵島への交通手段
御蔵へ来る交通手段として、ヘリコプターが利用出来るようになり25年経ちました。
それまでの手段はもちろん船だけ。
昔より航行時間は短くなりましたが、現在でも約7.5時間かかります。
あとはヘリコプターと調布飛行場からのセスナ※を使えば、正味3時間ほどで東京に着きます。(※正確にいうと「セスナ機」ではないですが。)
ヘリコプターは、風には強いですが視界不良だと欠航します。これも、村に来てから知ったヘリの特性でした。
じぶん尺度の規模
内地に住む方から御蔵への行き方を聞かれ、たいへん興味深く感じていることがあります。
まず、来島手段にはヘリがあると話すと
「カッコいい!!」
と、たいがい言われます。
少なくない人の中で、ヘリコプターに乗る=カッコイイ。のようです。
不思議ですが、映画などの影響でしょうか。
飛行機を利用することは別に「カッコイイ」とはなりませんよね?というと普及率とか希少性も関係あるのか。。
あとは、
「船で7.5時間くらい掛かる」
と話すと
「えー!長いね!」「すごく遠いね!」
と言われるか、
「あ、それ位で行けるんだね。」「もっと掛かるのかと思ってた。」
と言われることです。
聞いてみると、どうやら7.5時間があまり長く感じない人はわりと外国に行っていて、距離の概念の規模が大きい傾向があるように思います。
感じ方は、自分が行動する範囲でも変化するものなのだなあと、村に来てからよくわかりました。
例えば、御蔵では人が住む里は一つ所に固まっています。端から端まで歩いても、平らなところは少ないので高低差はありますが、徒歩でも里の端から端まで歩いて20分くらいのもの。
それでも、里の端から端までだと、冗談も入っていると思いますが
「遠いなあ」
と言われたりします。
また他の例で挙げるなら、村での職場で模様替えをしロッカーの位置が変わった際。同僚が、
「タイムカードから遠くなったねえ」
と話したことがあったっけ。
(なるほど〜!!そう感じるのか〜!)とびっくり&しみじみ思ったこともあります。
たしかに今までと少し距離は離れましたが、例えば10階の建物で1階にロッカーがあり、タイムカードを押す事務所が3階にある職場などよりは、とても近いわけです。
本当に、人の感じ方はまったく違うのですよね。
その違いの差が、村にいるととてもよく見えてくるので興味は尽きないのでした。